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花の季節に遊ぶ [銅版画]

Scan 484 のコピー.jpg

あれはどこだったのだろう?
その記憶は
香りと色と、風と
優しい音とともに
思い出される

多分そんなに遠くなかった場所で
それはどこかの家の庭で
私はとても穏やかな気持ちになれた
そんなところだった気がする

いや。。。
本当はザラザラと
落ち着かない気持ちでいたのかもしれない
そこへ行くまでは

信じている世界はまだ小さく
時としてわけもなく不安になったりもする
幼いころ
ある家の、大きな庭に私はいた

そこには色とりどりの紫陽花が満開で
あまりに美しかったから
母へのお土産にしたくって
その家の女主人に一輪欲しいと確か
お願いしたように記憶している
多分、母へ見せてあげたかったのだと思う

記憶はそこで途切れている
まだ小学校へも上がらない頃の記憶
その頃の記憶は、どれもとても断片的で
でも美しい一枚の写真のようなのでした

銅版画/凸版刷

版画を作る時のイメージは
そんな曖昧な記憶の映像が
キッカケになっていることが
多い気がします。

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Copyright (C) Yuko Hosaka.
イラストレーター/銅版画家 制作のこと、日々のことなど

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