花の季節に遊ぶ [銅版画]
あれはどこだったのだろう?
その記憶は
香りと色と、風と
優しい音とともに
思い出される
多分そんなに遠くなかった場所で
それはどこかの家の庭で
私はとても穏やかな気持ちになれた
そんなところだった気がする
いや。。。
本当はザラザラと
落ち着かない気持ちでいたのかもしれない
そこへ行くまでは
信じている世界はまだ小さく
時としてわけもなく不安になったりもする
幼いころ
ある家の、大きな庭に私はいた
そこには色とりどりの紫陽花が満開で
あまりに美しかったから
母へのお土産にしたくって
その家の女主人に一輪欲しいと確か
お願いしたように記憶している
多分、母へ見せてあげたかったのだと思う
記憶はそこで途切れている
まだ小学校へも上がらない頃の記憶
その頃の記憶は、どれもとても断片的で
でも美しい一枚の写真のようなのでした
銅版画/凸版刷
版画を作る時のイメージは
そんな曖昧な記憶の映像が
キッカケになっていることが
多い気がします。
2019-10-06 00:09
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