まとうもの [描く]
時が過ぎる音に
耳を澄ます
無音の時は無い
絶え間なく耳に届く様々な音と重なって
時の音が
輪を描くように
しずしずと鳴っている
何かに悟られまいと
さらに一枚
きゅっと身に纏う
雨の音に
雑音がかき消されるような日は特に
エスキース「まとうもの」
その身に纏っているものは
泡立つ気持を鎮めるための衣
ばらけた糸のような
細い道に伸びる
こまかな枝から身を守るための衣
進んでいる道が
果たして正しいのか否か?
見つめる方向に
正解はあるのか否か?
立ち止まっては歩き
走り出しては少し戻る
そんな繰り返しがあまりに日常で
そのリズムはまるで
刻まれる時間の音の様でもある
と...そんなことを
ぼんやり考えるのは大抵
雨の日のこと
しばし時が
ゆっくりと流れているように思える
宵
羽織った布を
きゅっと肩まで引寄せる
さて
次は何をすべきか?
そんなことをついつい考えがちなあれこれを
少しの間、脇に置いて
しばしぼんやりと
眠るまでのほんの少しの間
暖かな飲み物とすごしましょうか。
ふわりと飛び立つために
今は
勢いでは無く
踊るようにゆっくりと
ステップを踏んでみようか...
ふと
一枚絵のイメージが浮かんできた
それはまたいずれ
銅版画にて。
また少し
新しい試みなども試しながら
かとおもうと
どっぷりとエッチングに浸りたくなったりするけど...
銅版画というのはなぜか
行っては戻りを繰り返す
どうやらそれには
起点というのがあるようで
もちろんこれは、私に限ったことだけど
次第に増えて行く道を
少し行ってはまた戻り
さらにずずっと戻ったり
そうこうしているうちに
再び起点に立っている
起点に立っていいると思ったら
その起点は最初の起点とは違っていて
広く深くなっている
...と思うのだけど...
だからきっと描くのだろうね
多分、面白いのだね..
人は生きていると
様々な人に出会う
そして刺激を受けたり
情報交換したり
お互いのスキルに興味を持ったり
その事で同じものが違って見えたり
今年は展示の数を減らして
予定もあえて決める事を控えたためか
そんな出会いをキャッチする
アンテナにも余裕があるらしい
私の知らない技術
私の知らないモノ
ちょっと楽しみ!
肩の力を少し抜いて
好奇心をエネルギーに変えよう
雨が通り過ぎたら
秋の匂いが漂い始めたら。
2016-08-29 02:21
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