はらはらと [銅版画]
はらはらと雨
時折光が射して
細い葉の先を
小さな水滴が滑ってゆく
実りを生む雫
手のひらに集めた
霧のような小さな雨粒は
次第に集まって
ころころと揺れる
6月は梅雨の頃
紫陽花も色づいて
かすんだ野を
色とりどりの水玉で染める
本当ならばそんな風に
未来に訪れる実りの季節を待って
空を見上げる頃だけど
今はどうにも
そんな風にしみじみと想いをはせるのが
難しい
九州では豪雨が続いている
先の熊本地震での影響が
この雨で
さらに様々な災害を生んでしまっている
もうこれ以上痛めつけないで...
そう思うけれど
雨が罪な訳ではない
事実、今年は台風の発生が無い
水不足も懸念される
この梅雨の季節
北では真夏日が続いている
今も尚
福島の原発の様子も気になります。
世界で起こっている様々な事件や
日本での災害
そして世界政治の事
先行きが不透明で
やや憂う事の方が多い近頃です。
それでもこの季節をイメージして
小さな版画を作ってみました
私はただ
季節を想い
記憶を絵にします
とにかく淡々と
幼い頃
わざわざ傘をおろし
空を見上げて
霧雨を顔に浴びてみた
6月を想像しています
小さなカタツムリの歩みを
葉の上に落ちる雨粒が集まって
繰り返しころがる様子を
長靴と水たまりを
雨上がりの土の匂いを
それは今も繰り返されている
今は
どうか新たな災害が起きないように
起きてしまった災害に
新たな憂いが重ならないように
そう願いながら・・
2016-06-30 22:53
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0