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雨上がる午後 [描く]

ドローイング.jpg

午後、空に黒くて重たい雲が広がったと思ったら
もの凄い勢いで雨が降ってきた

あっという間に景色は薄ぼんやりしたものになった
そんなほんの20分ほど後
風景は雨に洗われて
それでも濃密な湿度の中
外は昼間の明るさを取り戻そうとしていた
まだ輪郭がぼやけた
湿った景色

目が疲れる、見ずらい銅版画の描画を少し中断して
思いついたイメージをノートに描く
忘れないうちに着彩する。

外に出ていると少し涼しくなっていた
蝉の鳴き声が少し変わった
夏が終わりに近づいている気がする。


近頃の私はというと。。。
夏休みと言う感じも特に無く
雑事におわれるうちに時が過ぎ
焦っているといえば焦っているのに
また始めてしまった事。。

住んでいるマンションが修繕の時期になるため
今、ベランダの片付けをしなければならない

我が家のベランダには
ちょこっとした椅子となぞの植物それにサボテン
そして、以前たまらなく惹き付けられたもの
オブジェのごとき物体が置かれていて
これをいつか手直ししようと思いつつ
ただただそのままだった事が急に気になりだし
この際、暑い中修復開始

るつぼ4.jpg

これは、吹きガラスで使うための入れ物で
坩堝(るつぼ)と言います。
ガラスを溶かすための炉の中に入っていたものです。
その溶解炉の中の温度は約1300℃ほど
素材は多分、耐火石膏
私はさほど詳しくは無いのですが。。
大きさは用途や場所によって様々なのだけど

この使用済みの坩堝(るつぼ)が今
ベランダに置いてあります。
私の所にあるのは洗面器くらいの径で
高さが洗面器の二倍ほど
小さいサイズのものです。
取り出されずに入れられたままのガラスが
容器の半分ほど入って固まっています。
取り出すには窯の火を落とすため
急速に冷えたガラスには
幾重にもクラックが入っていて
まるで冬の湖のように見えます。

もともとこれは
あるガラス作家さんのお宅の庭に転がされていたもの
その作家さんからいただいてきたものです。
「取りにきたらあげるよ!」って言ってくださって。。。

ルツボ2.jpg

当然我が家の旦那さんはキョトンもの
「どうすんのこれ?」と
私「えっと。。。」何も考えていない
そして我が家へやってきて
長いことベランダに置かれていたのです。
でもこれ、もともと容器でありながらも
使用方法が特殊なため、なかなか使うには悩むのです。

動かす目的で作られていないため、回りはかなりもろく
持ち上げる度にぼろぼろと崩れていきます。
そしてすっごく重い。
水が入ったら綺麗なのですが
当然そのような用途で作られていないので、漏れます。

で、この坩堝(るつぼ)を、ベランダの片付けのついでに手直しをしようと
回りを樹脂で固める事にしました。
ところが、
そもそも樹脂の知識と使用法に不慣れな私
一回の混合液を沢山作り過ぎ
作業始めてすぐに、ほとんどを容器の中で固めてしまった。
しかも激しい気泡が。。。
結局沢山無駄にした挙げ句、一部しかコート出来ず終了。
でもこの失敗が思わぬ効果を生み出しまして

るつぼ3.jpg

版画のマチエールのような
陶芸の釉薬のような、なんとも良い感じ
う〜ん。。
失敗の中から作品は生まれるのぅ。。。としみじみ
でもまだ、回りがぼろぼろするのでとりあえず
刷毛で塗るタイプの樹脂を薄く塗って応急処置
そしていまだもろいので、後はまた落ち着いてから考える事に。。
そして床に置くと持ち上げるのが大変なので
植木の台座を買ってきまして
これにコーティングされていた黒いプラスチックのようなビニールのようなものを剥がし
さらに錆色を施し
ルツボを設置してひとまず終了
こんな感じ

ルツボ1.jpg

そんなことを
今しなくても良いそんな事を
ベランダの片付けそっちのけで、せっせとやっていた午後でした。
そう、豪雨の少し前の事。
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