散らかるばかりの頭と床と

う〜〜〜〜む
相変わらず散らかるばかりの頭と床
椅子に座ってしばし眺めてみても
いっこうに整理されないあれやこれや

再び紙を広げ



ふ〜〜〜む

そして



「てい！」

と放り出す。

長細い版画を二枚
つながるように作っています。
ちょっとなつかしいタッチで何度も腐蝕
折り本にしようかと考え中です。
表紙には凸版画を一枚。



そう言えば以前
展示のためだけに、一冊の絵本を作った事があります。
それは
童話オペラ「月」
この物語は空想するのが楽しい内容です。

ある月の無い村の若者４人が旅に出ます。
彼らがある村に着き、夜になりました。

ところがその村では
夜なのに明るいのです。
見上げると大きな丸い明かりが
木に下がっています。
村の老人に「あれは何か？」と尋ねると
「月」と言うモノだと答えました。

いままで夜は真っ暗で
歩くと人にぶつかったり転んだりするので
何も出来ませんでした。
そこで四人の若者は
その「月」というものをこっそり盗み出し
自分たちの村に持ち帰ります。
彼らが持ち帰った月のおかげで
村は夜でも転ぶ事も無くなりました。

若者たちは、持ち帰った月を磨いて
村人たちからお金をとるようにしました。

やがて若者たちは歳をとり
一人が亡くなる度に
月を１／４にして棺に収めました。
やがて４人が亡くなってしまうと
村は再び真っ暗になりました。

一方死者の世界には、まあるい月が生まれます。
その明るさで死者たちが目を覚まし、大騒ぎを始めます。

それを見た羊飼いが
騒ぎを鎮めるために死者たちに言います
「お前たちは死人、眠りなさい」と

このお話の中では
月を盗んだ村人が
盗んだ罪に問われる事も無く
月を盗まれた村がどうなったか？も語られず・・

最後に羊飼いは、空に月を掲げてお話は終わります。

何ともシュールで
しかも起きた事は起きたまま、話しが淡々と過ぎていくのも
不思議な感じです。

この本には、
銅版画で刷った絵に彩色をして
そのまま挿絵にしました。
閲覧用のみ一冊だけの絵本。

この時の展覧会のタイトルが
[box＆story]
だったので、木箱に収めて展示しました。
薄い本のサイズの箱です。
箱の表が表紙という設定です。

今度この本の絵も
ブログにアップしてみようと思います。

とは言え実は
何度も登場人物を描かなければならない絵本と言う物が
どうも苦手で、というか根気が続かない。
だから積極的に作らないのですが
ストーリーあるイメージは好きなので
一枚で一つの話し
そんな風に絵作りをするのが常です。

今作っている折本用の版画は
一つの設定があるものの
途中途中、人により見方が異なるような
文章を入れて行きます。
考えながら見て行く
という感じにしたいと思っています。

さて
次回の個展までの間に
いくつかのチャリティー展示に参加する予定です。

版画を作りながらも
何か思いつくと試してみたくなる毎日は
あっち行ったりこっち行ったり
一日があっという間に過ぎて行きます。

小さな軽いノートを持ち歩き
思いついた物を描きとめ
帰ったら確かめてみたり。
多分、無駄な作業も多数。
その中から、ノリノリで描ける何かがきっと
展示に並んでいくのだろうな？
などと他人事のように考える日々です。

そろそろ確定申告の季節です。
これが最も嫌いな作業
嫌い過ぎてなかなか手が出ない・・・
でもやらなくちゃ・・・

まだ少し冬を残して
時が過ぎて行きます。
梅の香りと楚々としたつぼみが
春の気配を伝えています。

コメント 2

月の本、懐かしい！

ってなぜか個人的にはちょっと冷や汗な思い出も・・・

本の箱がとてもすてきでした！
by yuka/ri (2013-02-09 12:26) 

yuka/ri様
そうそう、いろいろありながら、大事な版がどこかへ行方不明になった懐かしい想い出もありますね〜。いつも沢山の心強い言葉をありがとうございます。そして沢山の知恵の援助にも感謝です！
by Hosaka (2013-02-10 00:42)