森の夜 [銅版画]
森に夜が来ました
帰りが遅くなった人たちは
その日のことを思い出しながら
最終のバスに乗りました。
日が落ちて暗くなった森を通り
ゆっくりとバスは進んで行きます
鳥も木々も人々も
また新しい1日を想い、空を見上げています。
銅版画 凸版刷
まだ試し刷の段階です
森と木、そしてバス
なんとなく
何度も描いてしまう組み合わせです。
空が暗くなって
木の間から、ガサガサという音が迫ってくるような気がします
心細さに背中を丸めバスを待つ
やがて明るいライトとともにバスがやってきて
シューという音立て扉が開きました
暖かなシートに沈み込むと、体が冷えていたことに気づきます
そしてやっと安心し
大きな窓から空を見上げるのでした。
そんなことがあったような
それは想像の中の出来事だったような。。。
新しい一日の前には必ず夜があって
何かを空想しながら眠りにつくのです
明るい朝を想って
気持ちが動くままに版画を作ります
全てのことは、積み重なっていく記憶の地面
そこから何が芽吹き
広がっていくのか
わからないからこそ興味深い。
2020-05-23 23:34
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