月を少し

月 食べる 少しだけ
手がとどいたから
こっそり持ち帰って一口かじる
冷たくて甘い、薄い砂糖菓子

月包む
鳥になった月を抱きしめる
無表情な鳥
十日夜の月（とおかんやのつき）

月について考えていた
月は好きなテーマ
ラフスケッチのつもりで
そこいらにあったモノに描いていたら
楽しくなって来た。

ラフを描く時
いい感じで線が引けても
いざそれをトレースすると
なんだか違う物になってしまう事がある。
ならばいっそ最初から
スケッチは止めてみようと思い
いきなり筆で描き始めた。

ふーん、こういう事するのも面白い。
だからこれをどうする？とか
シリーズにする？とか
そんな事を考え始めると楽しく無くなるから
版画に飽きたら違う事もしてみる
くらいの感じがいいのかもしれない。

月はいい
月が持っている名前もいい
怪しげな感じもいい
静かな風情もいい
だから月をイメージして描くのは楽しい。

ばらばらと６枚程描いたら、飽きて来た。
そんなもん そんなもん・・・

月を読む
「ツキヨミ（ツクヨミ）」「月読」。
月の満ち欠けで表す太陰暦では、暦を読むとは月を読むこと。
日本では明治５年以前の暦
今では旧暦と呼ぶ太陰暦を使用していた頃は
空の月を眺める回数がきっと
多かったのだろうな・・・
そんな事を考えていたら、外は既に真っ暗
空の低いところに
赤みを帯びた大きな月が出ている。