犬の裏表

「犬の裏表」

これはある方からの依頼で作成中のカードです。

大切な方へお送りするためにと
カードのご依頼です。
これにまた彩色を少しだけする予定です。

だれかに手紙を出すと言う行為は
背筋の伸びる作業のように思われます。

相手にどのようなカードで送ろうかとか
どのような便箋にしようか？とか
封筒は？切手は？と。。。
そんな風に丁寧にお手紙を書かれる方です。
私のまわりには、そう言う作業をとっても大切にしている方が
大勢いらしゃいます。
素敵ですね！
私はと言うと、字にも書く内容にも
今一自信に欠けるため、
短い文章、後は絵でごまかしたりと。。。

友人の中には、日常まめに手紙を書く人がいて
そんな時のためにと
ことあるごと時に
ちょっと凝った封筒や便箋、
葉書などを購入している人がいます。
もちろんメールでのやり取りもあるのですが、
お誕生日やクリスマス、何かを送ってくれる時などには
さらりとやさしい文章が、綺麗な字で添えられています。
そんな心配りはとっても嬉しいもので、
私も極力。。。と思いつつ、やはり筆無精。
書く字にも自信が無い。。。

せめて自分で送る手紙には、自分の絵を添えて。

ぼんやりと過ごしていると
時間は矢のように過ぎて行きます。
桜もあっという間に「どわん」と咲き誇り
そう、次の展示だって気がつくとすぐそこに。。。
なんて事になりかねません。
そう
ぼーとしていると
びゅんびゅん月日が流れて行きそうなので
またチクチク制作に向かわねばと
描いては消しての繰り返し。
とりあえず何か描く。。。

そして今日試し刷り
「空飛ぶ魚と漕ぐ舟と」



夢の夜に魚が空を泳ぎます
空の海を小さなボートで漕ぐのは
なんとも不思議な感じでしょうね！
大きな魚たちが
ゆったりと泳いで通り過ぎて行きます。
どこへ向かうのでしょう
小さな舟は
少し心細く不安な日々を
用心深く漕ぐようです。

何に対してとか誰にとかではなく
寂しさや悲しさ、心細さや切なさにも
独特の「美」があるように思えます。
大きな魚たちは、まるで気にする様子も無く
ゆったりと通り過ぎていきます。
ただ一人の夜に広がる無限の空間を
ほんの小さな舟で漕いでいくヒト
時折
大きな空気の波が空を震わせます。

こんなビジュアル表現は
どこか夢の記憶のようでもあり
現実的なイメージのようでもあります。

そしてある時、そんな魚たちが一斉に
くるりと振り返ってこちらを見つめる
そんなドキリとするような
変化が急速に起こる想像をしたりします。

絵の中にある目線は
その世界観をガラリと変えてしまう
ドラマの種なのかもしれません。