春が降る

春を告げている
舞い降り積もる花びら

かすかな香りを連れて
くるくると
薄桃色の花びらを運ぶ

見上げるは薄曇りの空
白い空
強めの風が
降り積もる花弁を舞い上げる

桜の季節はほんの少しの間
一斉にその存在を示して
あちこちに咲き誇る

何気なく空を見上げるのは
まさにこんな季節
日本人は本当に桜好き

神保町の檜画廊での個展までもう少し
なんだかんだ言って結局
ギリギリまで制作することになりそうです。

自然を消してしまうのは
本当にあっという間で
作り直そうとすると
それはそれは大変なもの
多くの手で
紡ぐように
諦めずにつくりあげよう
私たちはほんの少しの間
地上に間借りしているのだから

花が咲き葉が茂り、実りを迎え
雲が流れ雨が降り、地が潤い
風がそよぎ陽が昇り、陽が落ち
月や星が瞬く
命が生まれ
繰り返す時

いとおしむように
風の香りに
季節を想う春
そんな時間が続くことを願って